トップページ > 中度・重度の歯周病治療
中度の歯周病では、軽度の歯周病の症状に加え、歯を支えている顎の骨が半分くらい溶けてしまうことで歯がグラつくようになります。また、歯が浮いたような感じがする、硬いものが咬みにくくなるなども中度の歯周病の典型的な症状です。歯周ポケットが深くなり奥まで歯ブラシの毛先が届かなくなるため、ますます進行しやすくなります。
■歯周ポケットの深さ:4~7mm
中度の歯周病治療では、ブラッシングや歯石除去に加えて、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)が必要になります。中度になると歯周ポケットが深くなり、歯ぐきに隠れた部分に歯垢や歯石が溜まるようになるため、その部分のプラークコントロールがポイントです。
麻酔をしたうえで、歯の根の表面上に付着した歯垢や歯石を除去します。その後、歯の根の表面をツルツルに仕上げ、歯垢を付着しにくくします。歯の根の表面に付着した歯石を除去して歯周病菌がいない状態にするSRPは、中度の歯周病治療の基本です。
歯周病は重度にまで進行すると、歯を支えている顎の骨の半分以上が溶け、歯がグラグラになります。そうなると、食事をするのも不自由に……。その他、歯ぐきが下がり歯根が見えてくる、歯と歯ぐきの境目から膿が出てくる、朝起きたときに口のなかがネバネバする、強い口臭がするといった症状も重度の歯周病に見られる症状です。
■歯周ポケットの深さ:7mm以上
歯周病によって溶けてしまった顎の骨などの組織を、薬剤を使って回復させるのが歯周再生療法です。失われた組織を回復するために必要なスペースをつくり、そのなかに失われた組織を誘導する薬剤を入れて再生を図ります。
SRPでは取りきれない歯の根の深くに付着した歯石を除去する治療です。進行した歯周病の場合、大量の歯石が歯の根の深い部分にまでこびり付いています。麻酔をして一時的に歯ぐきをめくって、歯の根を見える状態にしたうえで歯石を除去します。
重度の歯周病でグラグラになった歯を被せ物で連結して歯を安定させる治療法です。歯周病の進行によって歯がグラグラしてくると、食べものを咬むのにも支障が出てきますので、グラグラしている歯同士をつないで安定させるために被せ物を装着します。
SRPなどの治療をしても改善が見られない場合は、毒性の強い歯周病菌の存在が考えられます。このような場合は、細菌検査をして原因菌を特定し、その菌に効く抗生物質を服用するとともに、歯や舌、頬の粘膜をクリーニングして原因菌を除去します。
歯周病が重度にまで進行すると、抜歯をする場合があります。できるだけ歯を維持したまま健康な状態に戻すことが歯周病治療の本質ですが、残せる見込みがない歯は抜くことになります。このような歯があると歯周病菌に住み処を与えることになってしまい、様々な悪影響を及ぼすおそれがあるからです。
■やむを得ず抜歯をする歯
歯周病は再発のリスクが高い病気です。せっかく治っても、また口腔内に歯垢・歯石が溜まってしまうと再発してしまいますので、口腔内の健康を維持するためには治療後のメインテナンスが重要になってきます。
また重度の歯周病になると、改善したとしても歯並び・咬み合わせが乱れてしまったり、歯を失ってしまったりといった代償を払うことがあります。咬み合わせが悪かったり、歯が抜けて咬める場所が少なかったりすると口腔内全体に悪影響が及び、歯周病を再発するリスクが高くなります。そのため、将来にわたって健康な口腔内を保つためには、乱れた歯並びを整えたり、失った歯を取り戻したりといった治療が必要になるのです。